本間基文先生を偲ぶ会

  2023年8月5日(土) ウェスティンホテル仙台

新型コロナ感染症拡大のため、2020年10月4日のご逝去の際に実施できなかった、本間基文先生を偲ぶ会を2023年8月5日(土)にウェスティンホテル仙台で開催させていただきました。

金子研、本間研の数多くの卒業生が一堂に会し、本間先生の思い出話に花を咲かせました。

皆様のお話を伺って、改めて本間先生の人徳と懐の広さを学ばせていただく機会となったとともに、教えを受けた卒業生である我々が今後もそれぞれの人生で活躍していくことこそが、受けたご恩に報いるものと思いました。

  本間基文先生のご経歴とご業績

本間先生は,1936年長野県でお生まれになられ,1959年東北大学工学部金属工学科をご卒業,1964年同大学大学院工学研究科金属工学専攻博士課程を単位取得満期退学された後,同年に東北大学工学部助手,1968年同講師,1969年同助教授,1979年同金属材料工学科特殊金属学講座担当助教授を経て,1980年同教授に昇任され同講座を担当されました。その後,学科改組,大学院重点化を経て,1993年に新設された材料物性学専攻高機能材料学講座磁性材料学分野を担当され,2000年3月に定年によってご退職されました.この間,東北大学附属図書館工学分館長も併任し,管理・運営に尽くされるとともに,東北大学ご退職後の2000年より6年間は,東北職業能力開発大学校校長に就任して人材育成に貢献されました.
学会活動では,日本金属学会会長,副会長,理事,日本応用磁気学会評議員,日本材料学会評議員,などとして当該学会の発展に多大なる貢献をされる一方,公的活動でも文部省大学設置・学校法人審議会専門委員,全国大学材料関係教室協議会会長,公益財団法人電気磁気材料研究所理事などを務められ,材料科学の発展に寄与されました.
研究においては,Mn-Al系合金,Pt-Co系合金,Fe-Cr-Co系合金,希土類-Fe系化合物などに代表される永久磁石を中心とした研究に注力されました.特に,Fe-Cr-Co系磁石においては,その発明者として歴史に名を刻み,その功績は世界から称賛されています.この他にもFe-Mn系合金に代表される半硬質磁性体,永久磁石を用いたGHz帯対応電磁波吸収磁性体,動脈瘤処置のための磁気誘導子やクリップ,双極型電気焼灼子,膀胱・腎臓癌を対象とした網状マイクロカプセルなどの開発などで多大な功績を挙げられました。このような優れたご業績により,本会より1979年功績賞,1995年増本量賞,日本鉄鋼協会より1979年西山記念賞,1992年三島賞,1970年の服部賞, 1980年米国泌尿器学会より1st Prize Exibition Lab. Research,1981年C. E. ALKEN財団よりアルケン賞, 平成28年には瑞宝中綬章を受章など,数多くの賞を受賞されています.

教育では,常に学生の声に耳を傾け,一緒に寄り添って下さる先生として,多くの学生に慕われておりました。まさに学生を信じ,学生の優れた素質や個性を引き出す教育を実践されてきた方といえ,ご指導された若い研究者の実社会での活躍は先生の教育の賜物といえます.

杉本 諭

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